
団体概要
名称
一般社団法人 日月
目的
中高生がスポーツに参加する機会を失わない環境と、地域住民がスポーツに参加する機会をより多く創出し心身の健康を増進させていく取り組みを、地域との共創によって実現することを目的とする。
スポーツの持つ魅力だけではなくコーヒーが持つ人を惹きつける力を用い、より多くの人が集まり、交流を深められる場所を提供することで、地域が活性化していくことを目指す。
事業内容
1.教員の負担軽減、生徒の部活動日数増加のため、雲南市内の各公立学校へ指導者を派遣する。
2.地域の状況によりクラブへの移行が進んでいる場合には当該クラブチームとも連携し、指導者の不足を補うための助力を行う。
3.オフシーズン等にプロ選手、プロコーチを招待し、より高い水準の特別指導を受ける機会を提供する。
4.現プロスポーツ選手及びコーチ、元プロスポーツ選手及びコーチによるスポーツ教室の開催。
5.県外、市外チームとの交流戦、高いレベルの競技を体感するための競技会、エキシビジョンマッチ、プロチームのパブリックビューイング等スポーツイベントを行う
事務所所在地
島根県雲南市木次町木次29番 三日市ラボ
定款
代表理事 石崎 巧
1984年生まれ。元プロバスケットボール選手。現在はバスケットボールの解説や、記事の執筆などを手がけています。

バスケットボール日本代表が世界で勝つにはどうしたらいいんだろうか、と長いあいだ考えてきました。
代表チームの環境改善、国内リーグのレベルアップ、ジュニア年代の強化育成。
アプローチの仕方は様々に思い浮かぶものの、なぜかはわかりませんがどれも自分にとってしっくりくるものではありませんでした。
そして選手を終えて現場を離れ、これまで触れる機会のなかった多くの経験に接することで、思い描いていた目標の実現可能性は『量』によってもたらされるのだと思いいたりました。
山口周さんを引きます。
”カリフォルニア大学デイビス校の心理学教授、ディーン・サイモントンは、作曲家や科学者の知的生産活動を精査し、彼らの知的生産の「質」は、その「量」によって生み出されていることを明らかにしています。
ー中略ー
そもそも創造性というのは偶発的で予定調和しないという特徴を持っているからです。さまざまな試行錯誤が数多く行われ、いわば「アイデア」と「取り組み」の自然淘汰が起きることで、結果的に優れた「アイデア」と「取り組み」が生き残って成果を生む、というのがイノベーションが生まれる発生過程の現実です。確率が一定であれば母集団を増やすことでしか成果を大きくすることはできません。”山口周 『ビジネスの未来』
バスケットを知れば知るほど、わかってくるのは「わからない」という現実です。
自由意志を持った5人が同じく思考の統一されない5人と相対し、考えを一致させることの不可能な(どんな人間にとっても不可能)3人の審判が裁くフィールドで絶えず動き回っている。
この現象に絶対的な成功法則や、常時適用可能な原理原則を見つけ出そうとする思惑は、人間という存在の限界を大きく逸脱しているのだと思います。
おそらく、日本のバスケットボールを強くするために我々ができる最大の取り組みは、選手の「量」を増やすことなのでしょう。
八村塁や渡邊雄太、河村勇輝をより多く生み出すための、膨大な母集団の形成です。
もし、社会構造の変革やBリーグ、バスケットボール界の発展によって生じる負の側面、格差の拡大がバスケットから子どもたちを切り離してしまったら、日本のバスケットボールの未来が明るいものになると夢見ることは難しくなります。
コートを後にして、より一般的な社会での生活に身をおいたなかで気づかされたのは、世の中のいたるところには問題や課題が溢れ、くるしさやつらさ、ままならなさを抱える人たちがたくさんいるということでした。
格差って嫌やな、と強く思うようになりました。
同時に、自分があまりにも恵まれた環境で育ち、運の力によってトップレベルにたどり着くことができただけの、きわめて幸せな人間だったのだという事実を受け入れる準備がされました。
バスケットボールがやりたくてもできない子どもたちを生み出さないことは日本バスケットボールの強化と格差の是正、この2つをまとめて実現する取り組みです。
日本バスケットボール協会の発表によると、2024年の国内U18競技者登録数は約13万人、そしてU15が約22万人。
これに対しアメリカは高校年代だけで競技者数が50万人ともいわれます。
この実力差を埋めるため、そしてバスケットボールをやってよかった、好きになってよかったと思う人たちを一人でも多く増やすために、この活動はあります。